両者が連携する際の問題点

看護師も理学療法士も国家資格であり、医療チームの一員として医療現場を中心に活躍しています。ただこの2つの職業を比較した際に出てくる問題として指摘されているのが、医療チームとしての役割の違いや連携が難しい傾向にある点です。

理学療法士は基本的にリハビリによる患者の回復を目的としており、機能維持や回復に関する医師の指示や計画書に基づいたサービスを提供しています。この中には理学療法士自らが指導するものばかりではなく、看護師に協力してもらって行っている内容も少なくありません。ただ、看護師はリハビリ以外にも患者に対して様々な日常生活面または医療面でのケアを行っているため、場合によってはリハビリの実施に協力できないケースもあります。特に看護師は慢性的な人材不足を抱えているため、時間的に余裕がなかったり、人手が足りないなどの理由でうまく連携が図れないことが多いようです。

そして看護師と理学療法士の役割を比較した際に問題になっているのが、何を優先して患者に接しているのかという点です。いずれも患者の回復を目的としていますが、看護師と理学療法士では、病気そのものの回復なのか日常生活を維持するための機能回復なのかという違いがあります。このためどちらを優先するのかで意見が分かれることも多く、そのことも連携の難しさに繋がっているようです。

このような問題に対しての解決策としては、同じ医療チームとして患者に対しての共通認識をするため、細かな情報交換や意見交換を行っていくことが重要視されています。